
東京が合わずに田舎にUIターン…後ろ向きの理由で移住したら”都落ち”?
2020.3.6
2018.10.1
おはようさん。島根に移住して1ヶ月の関西人はまちゃん(@wakuwakukeigo)やで。
これから地方創生に関わりたいんやけど、どうしても行きたい場所がありねん。
それが島根県の海士町!
都会の若者を引き寄せ、移住者が別の人を移住させる引力を持つ人さらいの島。
なんと、島の2割がIターン者だとか…
全国・海外から学生が集まる隠岐島前高校の「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」は、地方創生の代表的な成功事例として有名やん。
でも、実際のところなんでこんなに移住者が集まってんや?
てか、取り組んでる人はどんな方やねん?
そもそも、ほんとに地方創生上手くいってんのか?
うぉー!気になるやんけ!コノヤローー!!
・・・
・・
・
はい!
ということで海士町に行っちゃいました!
柄にもなく、はしゃいじゃってるわ。恥ずかしっ!!
さて、今回の旅の目的は、海士町の現場を知ること。
そこで、海士町に立地する隠岐島前高校と連携している公立塾「隠岐國学習センター」勤務スタッフの長谷川大介(@daisuke_hsgw )さんにお話を伺いました。
長谷川さんは、大学4年生の時に海士町に吸い寄せられ、現在社会人2年目。
地方創生のトップランナーの海士町を、24歳の目にはどう映っているのか?
海士町の未来も含めて、教育魅力化プロジェクトの現場について、ズバッと聞いてちゃいました!
長谷川大介(@daisuke_hsgw)
2016年度長期インターンを経て、2017年4月よりスタッフとして勤務。
主に高1と、高3の専門学校・就職組を担当。生徒たちが「安心・安全」に学ぶことができる教育環境を常に模索している。
人生のテーマは「半学半教」。
この記事の目次
今日はよろしくお願いします。
これが噂の隠岐國学習センターなんか~
はい、ここが僕の職場で、隠岐島前高校の7割の学生が学んでいます。
隠岐学習センター 外観
隠岐学習センター 内観
高校の7割の人が通う塾なんて聞いたことがないですわ!
塾生が多くて困ることもあるんちゃう?
海士町には本屋が一軒しかないので、問題集が足らなくなることもしばしば…。
でも、卒業生が赤本などを置いていってくれるので助かっています。
ずらりと並んだ赤本や問題集
素敵やん♪
実はオレも島根に移住したところなんやけど、長谷川さんが海士町に移住しようと思ったきっかけはなんやったん?
当時
大学2年生の頃、新聞に載っていた島前高校の教員募集の記事を見たのがきっかけですね。
「ビビッ!」と来てその日のうちに「行きます」と電話しまして。笑
魂が震えた瞬間でした!
その日のうちに!?行動力すごっ!
結局、大学4年生から1年間インターンに行くことになりました。
2年生からも、町の観光協会のイベントを手伝ったり、島の関係性を作ったりしました。
大学のゼミは、海士町から大学にテレビ電話をとおして参加してたんですよ。
リモートワークならぬリモートゼミやん!
時代の進歩を感じる・・・
ただ、海士町に行くということは、色んなものを切り捨てることになったんです。
切り捨てた?とは?
元々、教師になることを目指していたんですが、その道を諦めることになりました。
そのことで親と衝突しましたが、「この島なら賭けられる!」と思って、海士町に来ちゃいました。
大きな決断だったと思うけど、海士町の何がそこまでさせたん?
教育×地域活性化。
これができるのが海士町だったんです!
海士町の街中
確かに海士町ほど、島ぐるみで教育に本気なところってないもんなぁ。
海士町だけでなく、隠岐の他の島も巻き込んで取り組めるのは魅力的でしたね。
そもそも「教育魅力化プロジェクト」は何がきっかけで始まったん?
元々は、高校存続プロジェクトでした。
隠岐島前地域唯一の「隠岐島前高校」を、廃校にさせないようにするためのプロジェクトですね。
確かに。
島のたった一つの高校がなくなるとか、困ること多そうやわ~
はい。困るどころか島前高校が存続するかどうかは、海士町にとっては死活問題で、
もし廃校になったら、高校だけ別の地域に通うことになりますよね?
でも、海士町から仕送りをするより、家族まるごと海士町を離れた方が安上がりなんです。
なるほど。
その状況なら高校が廃校になると人が減っちゃうのは、アホでもわかるわ。
そう。海士町の存続危機だったところから、このプロジェクトは始まってるんです。
そんな取り組みの甲斐あって、今はなんとか高校の入学者数がV字回復することに成功しました。
そんなすごい成果を出してる海士町で、教育魅力化プロジェクトに関わってみて実際どうなん?
働き始めて2年になりますが、行政主導で地域の魅力化に取り組む姿を体験できたかな。
でも、この取り組みは成功事例じゃなく、挑戦事例なんです。
これから、どう島根県全土に広げていくかが、これからのテーマかなと思っています!
それは大きなテーマやね!
して、教育魅力化プロジェクトの中で、長谷川さんの役割はなんなんですか?
高校3年生と1年生の塾生を受け持っています。
高校3年生は進路は、「将来、海士町を含めた島前地域に戻ってきてくれるかどうか」の瀬戸際なので、大きな責任を感じていますね。
ありがたいことに、海士町出身者や島外から来た人も、「将来、海士町で働きたい」という人が増えてきています。
長谷川さん、さすがっす!
イヤイヤ、それほどでも…(照)
教育魅力化プロジェクトに関わることは、大変なことも多かったやろね。
いろいろありましたよ(笑)
特に1年目は、何が正解かわからず、何からしたらいいのかわかりませんでした。
あと、教えてる高校生に言ったことが自分に返ってくるので、そこも辛いところですね…
自分に返ってくる?とは?
塾生の前で偉そうに「夢って大事ですよね」という話をするわけですよ。
でも、「お前はどうなんだ?」という話じゃないですか。笑
あ〜あれね。
自分はできてないけど、年下に口で偉そうに言うやつね。
ぼくの得意なやつですわ。
得意なのはダメでしょ!(笑)
ただ、ぼくは経験は知識でカバーできると信じています。
なので、毎日勉強して、なんとか挑戦する姿を生徒に見せたいと思っていますね。
かっこよすぎやわ…
あ、そうそう、実際、海士町に移住してみてギャップとかなかったんですか?
理想通り?
ギャップ……想像以上に過酷な場所だったことですね。
「教育×地域活性化」って光って見えるじゃないですか?
だから、県外からのウケもよくて、興味を持つ人は島に集まるんですよ。
ふんふん。
でも、海士町の中でやってるのは、キラキラしたことじゃなく本当に泥臭いこと。
当たり前のことを当たり前に愚直にすることなんです。
ぼくも外から見てて、海士町は輝いてるイメージしかなかったなぁ。
でしょ?
ぼくにとって海士町は修行の場という感じでしたね。
そんな、過酷な場所での仕事で、やりがいを感じることはなんなん?
月並みな表現かもしれませんが、”生徒の成長”ですね。
勉強だけでなく、人前で生き生きと話せるようになったり、成長した姿を見れたときに「この仕事やっててよかったな」と思いますよね。
ぼくも人に教える仕事してたから、わかるわ~
教室の様子
それにしても、ここって全国から生徒が集まるやん?
そんな生まれも文化も違う高校生たちに、勉強や生き方についても教えるのって難しいと思うんやけど、心がけてることってなんなん?
一人でやらないことですね。周りに頼る。
この地域では、ぼくら(塾講師)だけが、生徒を指導してるわけではないんです。
前に、「公務員になりたい」という生徒がいたんですが、ぼくは公務員になったことはありません。
でも、ぼくの同居人が公務員だったんです。
だから、実際に塾に同居人を呼んで、公務員試験の対策をしてもらったりしましたね。
まさに”島まるごと学校”!って感じやね。
自分が万能と思わない。
自分ができるやつと思わない。
一人ひとりの得意を生かして、苦手なところは人を頼るってことを意識してますね。
かっこいい話ばっかりで悔しいんで、ここらでぶっちゃけトークしてーな!
今、海士町が抱える課題を言える範囲でどうぞ( ー`дー´)キリッ!
う~ん、教育魅力化を広げたことによる弊害かなぁ。
えっ? それが今取り組んでるテーマやんね?
あまり大きな声では言えませんが、前までは海士町だけが目立ってた。
でも、島根県全域に魅力がある学校を増やそうと活動すればするほど、海士町を選ぶ理由がなくなってしまうんですよね。
アクセスも悪いし。
なるほど~教育魅力化を島根県全土に広げるほど、海士町以外の選択肢が増えるってことか!
解決策としては、地域ごとの魅力を打ち出していくしかないかな…と思っています。
難しいところやね~。
1つ疑問なんですが、魅力化ってどの地域もやりたいことちゃうんかな?って思うんよ。
でも、魅力ってどうやって見つけたらいいん?ってことが課題になるよね?
魅力は自然、文化、伝統…なんでもいいと思うんですよ。
地域について語れるものは、何かしらあるはずなんですよね。
その魅力に対して、みんなが「それっていいよね」と語り合い、価値や意味をつけていくってことが魅力化の第一歩だと、ぼくは思っています!
「それええな~」と意思統一するまで、めっちゃ時間かかりそうや…
ですね。
だから、こういう話をすると「魅力化なんてやってる場合じゃない」と批判を受けることもあります。
でも、そうではないんです。
その地域で学ぶ価値を創ること。
それを創ることこそ、今の学校教育に求められることだとぼくは信じています。
ウンウン。
そんな学校がたくさんできたら、素敵やん♪
そうしていくので、期待しててください(笑)
これからのことって考えてる?
ずっと海士町に住んで、今の活動続けていくん?
近い未来、出身でもある鳥取の教育魅力化をやっていきたいですね。
今も鳥取は取り組んでいるけど、さらに加速させてひとつのムーブメントを作っていきたいです!
鳥取では、どうやって教育の魅力化を拡げていつもりなんや( ー`дー´)キリッ?
もちろん海士町で学んできたことも最大限利用させてもらいますが、
海士町のノウハウだけじゃできないだろうなって思ってます。
求められるのは成果です。進学率とか、入学者数とか。
だから挑戦していって、実績を作ってくしかないかなと。
まさに、挑戦事例やね!
今の海士町は、上の世代の方々が、ぼくたちに挑戦する姿を見せてくれました。
教育とは未来を創ること。
だから、今度はぼくたちの世代が、またその次の世代に挑戦する姿を見せていきたいですね!
24歳の若さでそこまで教育に熱心に関われる方は、ぼくの知る限りおらんわ。
長谷川さんが、教師になるという夢やそれまでの暮らしをガラリと変えてまで教育に打ち込めるのはなんでなんでなん?
ぼくが教育の道に進むきっかけとなったのは、中学時代の恩師。
自分がつらいときに助けてもらった経験から、ぼくも「こんな一人ひとりに向き合える教師」になりたいって思ったからです。
でも、本気で変わったのは「東北の震災現場に行ったとき」かな。
実際に現地に行って、大きな衝撃を受けました。
「今までのおれは何をしてたんだっ…!」と自分に向き合い、社会問題に本気で関わろうと思いましたね。
そこから子どもの貧困問題の解決に取り組むようになり大学でも本気で学んでやろうと思いました。
もっと社会や学問を知りたくて、大学院への進学を志したこともあります。
なるほどな〜。震災を機に、生き方を変えた人多いもんな〜。
長谷川さんにとっての理想の暮らし方・生き方って、自分の周りにどういう環境があれば実現できそうやと思ってる?
色々ありますが、まとめると4つあります!
こんな感じですかね。
最後の失敗を許容する社会ってどういうこと?
今の社会って、失敗に不寛容すぎると思いませんか?
確かに!ぼく、過去に会社でミスって5時間怒られたからね(´;д;`)ブワッ
そうですか。(何やらかしたんだ?)
はまちゃんと同じように、学生時代は許されたことでも、社会に出てミスをしたら「何ヘマしてんだよ!」と責められて疲弊してる人が多く感じるんです。
でも、失敗とは挑戦をした結果じゃないですか!
「その挑戦やってみたら?」と気軽に言いあえる社会・文化は作っていきたいですね。
なるほど~
まぁ、オレも「2日続けて遅刻したらどうなるか?」という挑戦を前職でしてみたわけなんですよ。
それは、求めてる挑戦じゃないです(笑)
(>ω・)てへぺろ
でも、失敗が許される範囲によるものが多いのかなと思うねんな~。
学校内でおさまる失敗だったり、海士町でおさまる失敗だから大丈夫なわけやんな?
絶対に失敗できない大きな責任があるものなあ、気軽に挑戦できないというのはわかるな〜
確かに、海士町だと日常生活に余白があったり、仲間がいることが大きいです。
しかし、地方も楽をしてるわけじゃないんです。
海士町では、
をキャッチコピーに、毎日何かしら挑戦しています。
ぼくも自分にとっての暮らしやすい場をつくるために、教育を切り口に活動しているんです。
そんな人にとって、寛容な環境を作りたいですね。
自分の好きな環境を手に入れるために、海士町に移住された理由がよくわかってきたわ!
もちろん、都会にも憧れますが、都会で3年勤めないとダメとは思わないんですよね。
田舎には都会から来た人もたくさんいるので、そんな人から教えてもらえばいいんですよ!
生き方かっこよすぎやろ!
人生3周目ぐらいか?
い、いや、ちゃんと1週目ですって。
んじゃ、これまで社会に対しての話が多かったから、長谷川さん個人として、今後やってきたいことは?
教科書に名前遺したいっすね!
スケールでかっ!?笑
ブッタみたいになりたいですね。
生き方とかほんとかっこよくて、
ブッダといえば、幼少期はシッダールタと呼ばれていて・・・
ブッダの話はおわりっ!!!(^◇^;)
あ!!!
最後に、ぜひ地域活性化に関わりたい若者に向けてアドバイスちょうだーーーーい!
2つあります。
①自分を正しく知ること。
→何に興味があるのかないのか、何ができるのかできないのかを知る。
②身近なスモールステップから始める。
→地域を変えるとか社会を変えるとか大きすぎる。
とにかく、どんなに小さくてもいいから、身近な社会にとって良いことをやってみるってこと。
そこをなおざりにして、地域活性化を語ることはできません。
地域活性化とか大きなこと言わなくていいから、まずは身近な人につくすことから初めてみることですね。
ノートにメモメモします。
今日は、インタビューを受けてくれてありがとうございました!
長谷川さんは、教育にとにかく熱い思いを持ってたで〜
ほんま、これから海士町、そしてこれから鳥取で教育の魅力化に挑戦されていく姿は、楽しみやなあ。
自分がやりたい教育×地域活性化の仕事をするため、暮らし方を変えた長谷川さん。
海士町は県外から見る以上に大変な場所のようですが、ワクワクしながら教育に取り組むエネルギーが凄かったな〜
余韻がすごい。
長谷川さんのように、仕事や得たい環境を求めて暮らしを変えている若者がどんどん増えてきてるように感じてる!
ぼくもそんな仲間になりたい!
あなたはどうですか?
今の暮らしを楽しめていますか?
将来やりたいことのための仕事をできていますか?
もし、答えがNOなら、何か行動を変えてみる必要があるかもしれません。
いきなり今の暮らしをガラリと変えることは難しくても、長谷川さんのいうように身近な小さなことから始めて行きたいですね。
今回の記事をご覧になり、
オンラインコミュニティ『タノクラ村』への参加希望の方は以下のボタンからお申し込みをお願いします。
3日以内には、審査し、返信させていただきます。
タノクラ村へ参加申し込みをする
※SNSや個人メディアの登録がなく、本人確認ができない方は審査の対象外とさせていただきます。また、こちらから連絡がなかった場合、審査を通らなかったということでご理解ください。
人気記事
2020.03.12
2018.11.15
2020.03.08
2020.03.06
2020.03.10
2019.05.25