インタビュー

2018.11.20

限界集落で山を買って、木を切り出し、自らの手で暮らしを作る!?20代のパワフルな女性が高知の山奥にいた。

 

 

ワン!

 

ワン!ワン!

 

 

 

ガー!

 

ガー!ガー!

 

 

 

コケッコー!

 

キタじい

なんじゃ。この声は・・・。動物がたくさんおるぞおお!!!!

セイカさん

あーー!キタじいさんですか??今日取材してくれる方ですよね??

インタビューした方のプロフィール


セイカさん


1991年滋賀県生まれ。幼少期にカナダを訪れた際にオーロラの美しさに魅せられカナダへの移住を決意。学生時代はカナダ移住へ向けて英語とフランス語を猛勉強し、世界15箇所以上をひとり旅する。大学卒業後は念願のカナダで働くも一時帰国した日本で今の旦那さんと出会い運命的な年の差婚。現在は高知県の山奥で旦那さん・息子さんと自給自足の暮らしを送っている。

キタじい

君がセイカさんかい。今日はよろしくな。それにしても たくさん動物がおるのう。

セイカさん

可愛いでしょう!イヌカモニワトリがいます!

キタじい

これは面白そうな暮らしじゃわい。どんな暮らしをしているのか案内してくれるかの。

この記事の目次

限界集落にある広大な敷地

セイカさん

外から案内しますね。私の家は大きく分けて母屋・離れ・お風呂・トイレの4つの建物があります。

母屋では私たち夫婦と息子が住んでいます。離れには旦那の作業スペースと客間があります。


キタじい

ここが母屋じゃな。建物自体は借りているのかの。


セイカさん

そうですね!大家さんがすごく良い方で。

変なことしなければOKと言っていただいているのでDIYで手を加えています。耐震工事も自分たちでしたんですよ。


キタじい

なるほどのぅ。お子さんがいるから安心じゃの。


セイカさん

この裏の山も全部敷地なので、旦那は木を切り出したりして開拓してますね。


キタじい

おお!なんとパワフルな。頼もしい旦那さんじゃの。


セイカさん

離れの中は旦那の作業部屋です。林業をやっていたりDIYもするので色々と道具が散らかっていて・・・。


キタじい

いやいや!こういった道具に囲まれた部屋こそ男のロマンじゃ!!


セイカさん

そういうモノなんですね笑


セイカさん

これはこの間作ったかまどです。1つの熱源で2口の熱を供給できるようになっているんです。


キタじい

ムムム!これは珍しい形のかまどじゃな!


セイカさん

わかりますか!?流石ですね。

下の部分ではピザも焼けるようになっていて特殊な形なので、わざわざ遠方から見学に来る人もいるんですよ!


セイカさん

こちらは手前から畑・ニワトリ小屋・茶畑です。


キタじい

随分と手広くやっておるの!


セイカさん

子供が生まれてからは中々手が回ってないんですが、色々とやりたいことが多すぎて!


キタじい

活発な娘さんじゃのう・・・。


セイカさん

すいません。色々と連れ回してしまって。中に入って話をしましょうか。

何でも自分で作っちゃう!

キタじい

年寄りをいたわってくれて、すまんのう。

セイカさん

どうぞ。こちらが土間になります。


キタじい

昔ながらの土間じゃが。ん?照明だけ少しモダンな作りになっておるの。

セイカさん

そうなんですよー!これは私が趣味で作ったステンドグラスなんです。

キタじい

これは素晴らしい出来じゃ!

セイカさん

ありがとうございます!ステンドグラスも子供がもう少し大きくなったら再開しようと思ってるんですけどね。

キタじい

リビングは洋風じゃな。これは入居する時にリフォームをしたんじゃろうか?

セイカさん

いえいえ!リビングも旦那と一緒にDIYですよ!

元々は畳の部屋だったのですが、古かったので板張りの床に変えました。光も取り入れられるように窓なんかも増設して!!

キタじい

なんと!なんでも作ってしまうのう!!

セイカさん

それでいうと、この椅子なんかも旦那がDIYしたものです!


キタじい

これは売り物にしか見えんの!もしかして、あちらの・・・。

セイカさん

正解です!この書斎も旦那と一緒にDIYしました!


キタじい

しっかり使い込まれているロマンを感じる書斎じゃの!

セイカさん

ありがとうございます!まだまだありますよ!このお風呂も!

セイカさん

このペーパーホルダーも!


セイカさん

トイレも!


キタじい

トイレ!!!????旦那さんは何でも作ってしまうんじゃな!!いったい何者なんじゃ〜??

旦那さんの正体とは・・・・?

セイカさん

旦那は山師なんです!チェーンソーや木材の扱いには慣れているので、色々なものをDIYで作ってくれています。


キタじい

なるほどのぅ。どうりで仕上がりがプロ級なわけじゃ。どこかに所属して林業をやっているんかの?


結婚式にて(セイカの暮らし便り

セイカさん

彼はもともと地域おこし協力隊として林業をやっていましたが、現在は独立して自分でやっています。

キタじい

文字通り自らの手で暮らしを作り上げているのう。

2冊の本との出会いが今の暮らしの原点

キタじい

いやはや。ものすごく面白い暮らしをしておるの。どういった経緯で現在の暮らしに辿りついたんじゃ?

セイカさん

最初のきっかけは小学生の頃に遡るんですが、当時サンタクロースに「プレゼントは何もいらないので、一緒にソリに乗せてオーロラを見せにつれていってください。」ってお願いしたんですよ。

そしたら本当にカナダ・イエローナイフ行きの航空券が枕元に置いてありまして。カナダにオーロラを見にいったんです。


カナダでのオーロラ(セイカの暮らし便り

キタじい

それは粋なプレゼントじゃの!それでどうなったんじゃ?


セイカさん

カナダのオーロラにものすごく感動しまして。12歳にしてカナダに移住しよう!と決意したんですね。

それからは高校・大学と英語フランス語を学ぶ事を最優先して進路選択しました。

キタじい

ずいぶんと大人びた小学生じゃな!国際色豊かな志向性でいまの田舎暮らしとはほど遠いが、そのあとはどうなったんじゃ?


セイカさん

そんな時に2冊の本と出会ったんです。

1冊目は「自殺する種子」という本。この本では私たちが普段口にする食べ物に隠された秘密や、私たちの豊かな生活の裏側で犠牲になっている人たちの姿が描かれていて、とても衝撃的でした。



キタじい

便利さを求めるあまりに健康を犠牲にするというのは現代の悲しき病じゃな。


セイカさん

そうなんです。私は実際に世界15カ国以上をひとりで旅しました。

カンボジアの農園では学校に行けずに農作業に励む子供たちの姿を見ました。例えば日本でナタデココのブームがあると生産国では急ピッチで生産をします。でもブームが去ると全て不要になってしまう。そんな消費的な生活の結果起きる現実を目にしてしまったのです。


キタじい

昔は作っている人の顔が見えたからのう。

いまは誰が作ってどう届けられているのかも分からん。仕組みが大きすぎると、仕組みの先に人がいる事も忘れてしまうの。

セイカさん

そうなんですよね。自分が見えない人の犠牲の上で便利な生活をしていた事に気づきました。

もう1冊、私が影響を受けたのが「自給自足の本」です。この本も衝撃的でした。今まで誰かに作ってもらうしかないと思っていた物でも、少し工夫すれば自分で作れるんだ!と。



キタじい

なるほどのう。それでカナダへの移住はその2冊の本がキッカケで辞めたんかの?


セイカさん

いえ!カナダには行きました!子供の頃にオーロラの写真が綺麗に撮れなかったのが悔しくて・・・。大学では写真部に入って、カメラの仕事をとってワーキングホリデーで半年!


キタじい

なんと!パワフルな子じゃ!・・・でも今ここに居るという事は子供の頃の夢だったカナダから日本に帰ってきたという事じゃな?


セイカさん

カナダでの生活は日光を浴びる時間が少なくて・・・。

それに先ほどの2冊の本との出会いがあって、消費的でなく自分で何か作り出すような生活に対する想いが強くなっていったんです。

キタじい

カナダにも住み、他の暮らしも見たうえで、理想とする暮らしが徐々に見え始めたんじゃな。

そして運命の出会いが・・・。

セイカさん

そうなんです。そんな時にFacebookで偶然見つけたのが「いえづくり教習所」という高知で開催された1ヶ月間のワークショップでした。

何かを生み出す暮らしを理想だと感じ始めていたんですが、家って作れるの??って思いまして。


キタじい

確かに衝撃的なワークショップじゃな!家を作れたらなんでも作れそうな気がするわい。


いえづくり教習所より


セイカさん

開催場所は高知県の安田町という場所でした。

私は将来の暮らして動物が住むための小屋を作れるようになれば良いかな〜と思って参加したんですが、参加者の中に自分で木を切り出して家を建てる!と言い張る人がいたんですね。それが今の旦那なんです笑


キタじい

それは衝撃的な出会いじゃな笑


セイカさん

それから、彼が住む高知県の本山町にもお邪魔しました。

その時に案内してもらった大石地区の棚田の景色が素晴らしくて!弥生時代から農家さんが代々守っている景色なんだそうです。話す人・食べるもののどれをとっても素晴らしいものだらけで、ここで暮らせたら楽しいやろうなと心から思えました。


弥生時代から続く棚田の風景セイカの暮らし便り

キタじい

弥生時代から残る風景というのは歴史が深い!何かを生み出す理想の暮らしとも通ずる部分がありそうじゃ。

セイカさん

そうなんです。彼の山師という仕事も理想の暮らしに近くて。林業というのは恩送りの仕事なんです。

木の成長には時間がかかるので、先人が培った山があるからこそ仕事ができています。こういった彼の仕事への考え方などもありまして、お互いがタッグを組めば最強だと思えました。


キタじい

これはもう縁じゃの。


地域の皆さん主催の結婚式(セイカの暮らし便り


セイカさん

まあ、私たちは18歳の歳の差結婚なんですけどね!


キタじい

なにぃ!!!そうなのかぁ!でもこの出会いは運命的じゃな!


セイカさん

彼が会った時から今でも言い続けている「自分の山を買って、そこで仕事をして、自分で切った木を製材して家を建てる」という夢に対して私もワクワクしています。


キタじい

こうした出会いもあり今の暮らしが形作られたんじゃな。

最終的には○○も作っちゃいます!

キタじい

セイカさんは若いのに自分の暮らしに対して確固たる展望を持っておるの。今後はどういった暮らしを作っていくつもりなんじゃ?


セイカさん

一番大きな目標は旦那と一緒に家を建てる事です。

少なくとも5年以内には建てたいです!もう間取りは決まっているんですけどね・・・。


いえづくり教習所にて(セイカの暮らし便り


キタじい

5年とは随分長いスパンでの計画じゃの。家づくりにはそれくらいの期間がかかるんかいの?


セイカさん

まずは山探しからなんで笑 そこから木を切り出して乾燥させて製材して・・・って考えると頑張っても3年はかかります。今は山探しに奮闘してますね!

キタじい

・・・・・。なるほどのう笑 規模がケタ違いじゃ!どんな家にするつもりなんじゃ?


セイカさん

在来工法で平屋の家を作ろうと思っています。

土間と縁側をつけて。あ!子供部屋はあえて作らないようにしようかなと思っています。


キタじい

それは何でじゃ???



セイカさん

大きくなったら自分で作らせようと思って笑

キタじい

なんと!!!エリート教育じゃの笑 将来が楽しみじゃ!家が完成したらどんな暮らしをするつもりなんじゃ?

セイカさん

ウマヤギは飼いたいですね!

あとはお茶が好きなので茶畑もやりたいです!3年番茶というお茶が大好きで農家さんにも見学にいって準備を進めているんです。そして自分たちの暮らしだけでなく、人が集まる場所にもしたいですね。今も中学生の修学旅行の受け入れもやっています。

キタじい

・・・やりたい事が次々と出てくるの!


セイカさん

ドンドン増えていって止まらないんです笑

理想の暮らしを掴むにはどうすれば良いのか?

キタじい

セイカさんや。君はパワフルに自分の暮らしをデザインしていっておるが、他の人はどうやって自分の理想の暮らしを掴みとったら良いんじゃろうか?


セイカさん

色々な暮らしを覗いて、実際に体験してみることだと思います。


キタじい

なるほどのう。具体的にはどうすれば良いんじゃろうか。


セイカさん

私の場合はWWOOFを利用しましたWorld Wide Opportunities on Organic Farms「世界に広がる有機農場での機会」という意味で自分が持っているものをあげ、持っていないものをもらう、というとてもシンプルなしくみです。

食事と宿泊場所を提供してもらう代わりに力と知識・経験を提供します。


キタじい

そんな仕組みがあるんじゃな。確かにそれであれば色々な暮らしを疑似体験できるの。


セイカさん

そうですね。

そうして「自分だったらこうしたい」というのが見つかってくれば、それをつなぎ合わせて自分が理想とする暮らしが徐々に見えてくるはずです。


キタじい

そうじゃな。セイカさんのように行動あるのみじゃな!

これは暮らし方に迷っている若者に聞かせてやりたいわい。



キタじい

いやいや。今日は良い話が聞けた。ありがとう。


セイカさん

いえいえ。こちらこそ。私たちの家が完成したらまた見に来てくださいね!


キタじい

おお!そうじゃ。そうじゃ。長生きせねばな。

終わりに:行動することで理想の暮らしが形作られていく


セイカさんにお話をお伺いして一番感じたのは、とにかく行動を重視していてパワフルだなということ。

幼少期のカナダへの旅行に始まり、15カ国以上をバックパッカーとして回った経験など実際に足を運んで、自分の目で見て、理想の暮らしを追いかけているのが非常に印象的でした。

タノクラの読者の皆さんも、ぜひ実際に現地に行ってみて色々な人の暮らしを覗いてみてはいかがでしょうか。

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