インタビュー

2019.7.13

若者4人がいきなり田舎に移住!? 世界遺産がある熊野で飲食店を立ち上げた理由とは??

キタじい
いつもタノクラを見てくれている皆、ありがとう。

キタジイじゃ。

皆は「熊野古道」を知っているかいのう?

熊野三山へと通じる世界遺産の参詣道のことで、三重県、奈良県、和歌山県、大阪府に跨っているんじゃ。

和歌山観光情報より
キタじい
という事で、和歌山県の熊野にやって来たワケじゃが。

この辺に暮らしづくりに挑戦している20代の若者がいるはずじゃ・・・・。

 

 

 

川端さん

熊野の猪を使った猪カレーいかがでしょうかーーー??

川端さん

・・。

・・・・。

・・・・・・あれ?

今回取材してくれる人じゃないですか??

キタじい
おお!君らが「くまのこ食堂」のメンバーかの?

森岡さん

そうです!そうです!

今日は僕らがお話させて頂きます。

とりあえず、食堂の中へどうぞ!

インタビューした方のプロフィール

川端 佑典(左) / 森岡 雅勝(右)


<川端 佑典(@batako2gou)>
大阪府出身。一般社団法人kumano.co理事/くまのこ食堂店長。

大学を卒業と同時に移住・起業し、くまのこ食堂を立ち上げる。


<森岡 雅勝(@0Masakatsu74)
奈良県出身。一般社団法人kumano.co代表理事。

川端さんの大学時代の先輩で学生時代から熊野に関わる。川端さんと共同でくまのこ食堂を立ち上げ。

この記事の目次

世界遺産 熊野古道の近くにある「くまのこ食堂」

くまのこ食堂の外観

キタじい
まず、この食堂がどういった場所なのか教えてくれるかのう?

川端さん

はい!こちらは一般社団法人kumano.coが運営する「くまのこ食堂」です!

くまのこ食堂の近くには世界遺産の熊野古道があり、観光客が多い立地となっています。

森岡さん

メニューは鹿肉ロースト丼や、猪カレーなどが人気で、熊野のジビエ&熊野の野菜を使っています!

また、ニワトリを50羽くらい飼っていまして、そのニワトリの卵も人気です。

大人気の鹿肉ロースト丼

川端さん

あと、熊野の水を飲んで欲しいと思いまして・・・。

こちらの水はほぼ毎朝、山に汲みに行っています!!

保健所にも確認し、必要な検査を受けているんですよ。

ほぼ毎日汲みにいっている果無峠の天然水

森岡さん

くまのこ食堂の立ち上げメンバーは4人いて、全員が同じ大学出身の先輩後輩です。

年齢は26歳・25歳・24歳・23歳で、僕が最年長ですね!

大学を卒業と同時に移住&起業

創業メンバーの4人
キタじい
なるほどのう。大学の先輩後輩でビジネスを立ち上げたというのは面白いの!!  2人とも、もともとはどこかの会社で働いておったのかいの?

川端さん

僕は2018年の3月に大学を卒業して、4月は熊野に移住してきて起業しました。卒業するための単位取得と起業の準備でヒヤヒヤしてましたね笑

森岡さん

僕は大学院に進み、「このまま博士号も!」と思った矢先に自分の勘違いで進学希望先の先生がご退官になることを知りました。。

その後、関西大学の人間健康学ラボ委嘱研究員という仕事をもらい、非常勤で大学で働きながら色々なことに挑戦。最終的にはkumano.coの立ち上げに加わったという感じです!

2拠点で生活しているメンバーも
キタじい
川端くんは大学卒業と同時に起業したんじゃな。これは驚きじゃ!! しかし、なんでこんな田舎で飲食店を立ち上げようと思ったんじゃ?都会のほうが儲かるじゃろう。

森岡さん

確かにマーケットは都会の方が大きいですね。

しかし、熊野古道に来る外国人宿泊者数は、2011年度には1,217人でしたが、2016年度には30,958人と大幅に増加ししています。(やまとごころ.jpより)

熊野は田舎なのにマーケットが拡大している面白い場所なんですよね。

川端さん

それなのに、この地区には夜に営業している飲食店が3軒しかないんですよ。

熊野古道に来る外国人観光客は歩いて観光をする人が多いのですが、宿泊先によっては交通手段がなく、夕食をあきらめるしかないというケースもあります。

そういった熊野の現状を解決したいという想いがありました。

くまのこ食堂の内部

森岡さん

また、大学時代にゼミで大阪の子供熊野に連れてきて環境教育をしていたんですよ。

当時から熊野で何かできないか?という話しにはなっていました。

それに、いきなり大学の先輩後輩4人で移住して飲食店をするなんて、なんか面白いじゃないですか!

波乱万丈な新卒起業

立ち上げ時は毎日頭を抱えながら突っ走った
キタじい
おおおおお。なんか色々と凄いのう! しかし、外国人観光客が増えているということで市場の変化を捉えて戦略的に出店したんじゃな??

川端さん

うーーーん・・・笑 もちろん戦略はあったのですが、実は立ち上げはかなりバタバタでした笑

卒業・移住が決まっているのに、物件が決まらなかったので焦っていましたね。。。

森岡さん

川端が大学を3月に卒業したわけですが、当初は卒業した翌月に食堂をオープンしようとしていました。

早めに売上を作る必要はあったので、オープンは早ければ早い方が良かったのですが、今考えると無謀ですよね・・・笑

キタじい
たしかに、大学卒業と同時に飲食店オープンとは、随分チャレンジングじゃの!笑 創業当初は大変なことが多かったんじゃないかい?
厨房の設備も知り合いを通じてかき集めた

川端さん

いやー。ホントにこの一年は大変でしたね笑

なんせ、4人の誰も起業したこともなく、人脈もなかったので・・・。

0→1の苦しみを味わいました。

森岡さん

運転資金が底をつきそうになった時は本当に焦りましたね。自分はなんでこんな道に進んでしまったんだろう・・・。みたいな。

オープンしてからも、スタッフが8人もいるのにお店が回らないんですよ笑

僕たち飲食業も未経験だったので手探りでしたね。

なぜ地方で挑戦したのか?

自分たちでニワトリを飼っている
キタじい
飲食業未経験じゃったんか!!!それは苦労するはずじゃわい。

実際に、この熊野という場所に来てみて、どういった魅力があると感じているか教えてもらえるかのう?

森岡さん

先ほども話しましたが、熊野はマーケットは拡大しているのにプレイヤーは縮小している特殊な場所です。

都会で飲食店をやるのは僕たちでなくても良いですが、熊野はやる人がいないので、僕たちがやることに必然性があります。

地方では課題が見えやすいので、僕らの挑戦がダイレクトに課題解決に繋がるのは魅力だと思います。

熊野古道にくる外国人のお客さんが多い

川端さん

熊野にいる大人がカッコ良いというのも魅力だと思います!

昔から熊野古道に来る人を受け入れてきた歴史があるので、新しい価値観に対して柔軟なんですよね。

オープンする時にお店の前の駐車場をスコップでならしていたんですが、全然終わらなくて・・・。

そしたら、見るに見かねた地元の方が重機で一気にならしてくれたんですよ。

地元の方に協力してもらって駐車場を整備した
キタじい
なるほどのう。2人とも熊野に可能性を感じてワクワクしているのが伝わってくるわい!

田舎に移住してきて生活面での変化はどうかの?

森岡さん

幅広い世代とコミュニケーションを取るようになりました。

お風呂が好きで仕事の前とか仕事終わりに銭湯に行くのですが、近所のおじいちゃんや子供とよく話をします。

都会で大学生していた頃には、そんな機会はなかったですね。こういう些細な日常のやり取りで幸福度って上がると思います。

川端さん

熊野では落ち着いて自分に向き合うことができますね。

都会だと情報が入りすぎてきてしまったり、選択肢がありすぎると思います。

熊野は僕にとって、やりたいことに集中できる環境です。

森岡さん

ただ、熊野にずっといるのもダメだなと思っていて、大阪に帰って別の仕事をすると熊野では起こりえない事が起きるんですよね。

場所によってスイッチみたいに使う感覚で切り替えています。

立ち上げメンバーの森岡 雅勝さん
キタじい
すでに多拠点で活動しておるんか!? 立ち上げ一年目で多拠点生活まで実現しているとは、スピードが早いのう!

ところで、ちょっと聞きたいんじゃが、 逆に田舎にきて苦労したことはあるかいのう?

森岡さん

僕たちがやりたいことを説明した際に「お前らがやってることが全然わからねぇ」と言われたことがあります。

でも、そこを切り崩していくのも楽しいですよね笑

義理と人情という、都会ではありえないロジックで物事が動いていきますから。

川端さん

始めは田舎の法則にとことん従ってみようと思い、走り抜けましたね!

でも、基本的には応援して頂けることが多いように思います。

もともと大学を入り口として関わり始めたのも良かったのかもしれません。

飲食店をやるのが目的ではない!

店内にはバーカウンタースペースもある
キタじい
なにやら、2人共たくましいのぅ。

今後に関してはどういった展開を考えておるんじゃ?

森岡さん

実はくまのこ食堂は、最低限の収益事業とコミュニティを作っていくというのが目的で、ただの入り口なんです。

2019年はゲストハウスの立ち上げもやっていこうと思っています。

川端さん

そうなんですよね。

僕たちは飲食店をやるために熊野にきたワケでは無いので!

食堂の入り口
キタじい
そうなんか!? 食堂をやるために移住してきたのかと思っておったわい。

どんなビジョンがあるんじゃ?

森岡さん

大きく2つあります。

1つ目は一般社団法人kumano.coが受け皿となって、熊野で挑戦したい人を受け入れていくこと。

2つ目は熊野の魅力を発信し熊野全体を盛り上げていくことです。

川端さん

例えば、若い人が「地方で何か挑戦したい」と思っても、いきなり空き家を借りてビジネスを始めるというのはリスクがありますよね。

そういう場合はまず、くまのこ食堂でアルバイトして貰えば良いと思っています。そうすればハードル低く挑戦ができますよね。

ある程度慣れてきたところで、「自分で何か始めたい」となった時も僕たちが開拓した人脈や物件を利用して貰えば挑戦しやすい・・・・。そんなことを考えています!!

立ち上げメンバーの川端 佑典さん

森岡さん

また、熊野という場所は歴史も深く、扱いきれないくらいポテンシャルがあると思っています。

それに、熊野という概念は三重・奈良・和歌山から形成されており行政区は別々なんですね。

なので、行政にはできないような動きが僕らでできたら面白いなと思っています。

具体的には熊野をPRするメディア作りなんかは面白いなと思っていますね!!

キタじい
いやーー!驚きじゃ! くまのこ食堂は序章に過ぎないというワケじゃな!

次の展開も楽しみじゃのう。

最後に、今後の意気込みを聞かせてくれい!!

川端 佑典さん(左) / 森岡 雅勝さん(右)

川端さん

僕は熊野だけでなく色々な場所に拠点を持ちたいですね、熊野・大阪だけでなく海外とかいいなー!

地方に拠点を構えたら、その土地に骨を埋めなきゃいけないというのは古い価値観だと思います。

あとはビジネス規模を大きくしていきたいですね!

森岡さん

僕は、無くなりそうな地域文化を再ブランディングする商社的な動きに興味がありますね。

文化的には物凄く価値があるんだけど、経済的には価値が見出されていない・・・。

そんな商品を再ブランディングしたいです!

また、もともと大学にいたので、研究の分野からも地方の課題解決に貢献していきたいですね。

キタじい
おお!2人とも燃えておるのう!

今後も楽しみじゃ。

今日はいろいろな話を聞かせてくれてありがとう。

まとめ

2人の話を聞いて、まず「行動」してみる姿勢の重要性を強く感じました。

 

現在、kumano.coでは

「1.受け皿となって、熊野で挑戦したい人を受け入れていくこと」

「2.熊野の魅力を発信し熊野全体を盛り上げていくこと」

の2つを目的として活動されています。

 

しかし、法人の立ち上げ当初は活動の目的はぼんやりとしか見えておらず、手探りな状況の中から法人としての目的や、「くまのこ食堂」という形が見えてきたそうです。

 

現代ではスマートフォンが普及し、様々な情報に瞬時に触れることができます。

でも、その分「行動」の頻度は落ちてしまっている傾向があるのではないでしょうか?

 

くまのこ食堂を立ち上げた彼らのように、情報を得て頭で考えるだけでなく「行動」することによって自分の進むべき道や使命が見えてくることもあります。

若者4人でいきなり田舎に移住して起業というのはかなり思い切った挑戦ですが、例えばくまのこ食堂のように地方で挑戦したい若者の受け皿となってくれる場所が増えれば「行動」の総量は増えていきそうですね!

 

くまのこ食堂ではアルバイトやボランティアを受け付けることもあるそうなので、気になる方はkumano.coのHPや川端さん(@batako2gou)、森岡さん(@0Masakatsu74)のTwitterをチェックしてみてください。

 

くまのこ食堂

【住所】
和歌山県田辺市本宮町本宮452-1

【電話】
0735-30-0878

【営業時間】
11:00〜21:00 (20:00 L.O.)

【定休日】
火曜日

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