インタビュー

2019.11.3

東京生まれ東京育ちが新卒で沖縄移住?森の案内人へインタビュー!

Karen

こんにちは!タノクラライターのKarenです。

突然ですが、皆さんは日本人がどこから来たのかを知っていますか?

カッパ澤
日本人がどこから来たのか???

・・・・中国大陸あたりっすかね〜??

キタじい
樺太→北海道の北方ルート、中国・朝鮮を経由する北西ルート、南西諸島を経由する南方ルートなど複数の説があると聞いたことがあるぞい!

Karen

そうなんです!

色々な説があるのですが、沖縄で暮らしていた港川人が、海を越え日本本土に渡り、日本人の祖先となった可能性があると言われているんです!


引用:武芸洞(ガンガラーの谷HP)

カッパ澤
沖縄に日本人の祖先が!!??

これは面白そうな話っス〜!!

 

Karen

面白そうですよね〜💖

実は、私が大学生時代に知り合った中村勇斗さんという方が、日本人の祖先かもしれないと言われている港川人が見つかった「ガンガラーの谷」の案内人をしてるんですよ〜!!

フジコ
港川人が眠るガンガラーの谷の案内人・・・・。

興味深いわね✨✨

Karenちゃん取材お願いするわ〜❗️❗️

インタビューした方のプロフィール

中村勇斗(なかむら はやと)


東京生まれ東京育ち。慶応義塾大学卒業後、沖縄へ移住。ガンガラーの谷の案内人として沖縄の魅力を伝えはじめて4年目に突入。

 

Karen

勇斗さん、お久しぶりです!早速ですが本日はよろしくお願いいたします。

勇斗さん

直接話すのはほんと久しぶりだね!こちらこそよろしく。

この記事の目次

生きてるって感じられるガンガラーの谷

ガンガラーの谷
引用:ガンガラーの谷 公式PV

Karen

私も勇斗さんがきっかけでガンガラーの谷について初めて知ったんですが、まずは改めてガンガラーの谷について教えてもらってもいいですか?

勇斗さん

もちろん!

沖縄県南城市にある数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れてできた亜熱帯の森で、約2万年前に生きていた「港川人」の居住区だったんではないかって言われている場所なんだ。

その豊かな自然や考古学的・民族学的にも価値のある場を守るため、ガンガラーの谷では専属のガイドがついて、約1時間20分かけて森の案内をしてるよ。

引用:ガンガラーの谷HPより

Karen

勇斗さんはその森の案内人ってことですね!

1時間20分ってことは結構広いんですね。

勇斗さん

大体東京ドーム1個分の広さだからね。

ツアーではケイブカフェからはじまって、森はもちろん洞窟、ガジュマル、それからスタッフ手作りのツリーテラスにも案内するよ。


ガンガラーの谷の入り口「ケイブカフェ」は鍾乳洞そのままのオープンカフェ

ケイブカフェ
カフェは夜、パーティ会場になることも!?
引用:ガンガラーの谷HP

Karen

写真だけでもかなり神秘的な場所に見えます・・・!

勇斗さんが思うガンガラーの谷の魅力ってなんですか?

勇斗さん

生きているっていうことを実感できるのがガンガラーの谷の魅力だと思う。

働き始める前に見学に来させてもらったんだけど、その時に今を生きてるなってことをここにきて濃厚に感じたんだ。

たまたま一緒に見学へ行った社会人の方も休職中で落ち込み気味だったんだけど、ガイドツアー参加後は満面の笑み。

自然に包まれてる感じで、遙か昔から人は自然の一部だったんだよなぁって気づかせてくれるんだよ。

やっぱり自然からもらえる力って大きいと思う。

森の案内人の生活

谷の写真
引用:ガンガラーの谷 公式PV

Karen

確かに自然を眺めていると、じんわりと身体に力が染み渡るような気がします✨

ちなみに勇斗さんは、どんなところに住まれているんですか?

・・・・まさかガンガラーの谷の中に住んでたりして。

勇斗さん

沖縄に住んでるっていうと、自然いっぱいの所に住んでるって思われたりもするけど、実は、周りに沖縄っぽい風景はなくて大きいアパートだらけなんだ(笑)

ガンガラーの谷があるのは南城市という場所なんだけど、僕は那覇に住んでるよ。1ルームの駐車場月で月3,5000円!

景色はいまいちだけど、家賃が安くて飲み屋へのアクセスも良くて、何より実家の住宅街に雰囲気が似てて落ち着くからここにした!

Karen

へ~!てっきり自然に囲まれて生活してるんだと思ってました・・・

勇斗さんにとっての沖縄での生活の醍醐味って何だと思いますか?

勇斗さん

沖縄の醍醐味か・・・「懐の深さ」があること、かな。

1ヶ月試しにマンスリーマンションに住んでいた時、帰り道で何種類もの蝶々に会ってビックリしたんだよね。

蝶々が生きるには、蝶々だけじゃダメで。栄養を吸う花があって、幼虫が育つ草木があって、草木を養う土や受粉を助けるハチや鳥がいて。他にも色んな生き物が必要さね。

僕みたいなヨソ者も含めてこういう色んな生き物が生きていける懐の深さが沖縄には残ってるなと感じる。

誰でも広く受け入れる、ウェルカム!という懐の「広さ」とはまた違って、島が嫌いなら好きに出てけ、気に入ったら居ていいぞっていう感じ(笑)

勇斗さん

あとは自然も文化も奥深いって感じられるところ。

知れば知るほど謎が深まって、物事の奥行きを感じられるのも沖縄らしい点だと思う。

柳田国男、岡本太郎等、数々の文化人がこの島に好奇心をくすぐられるのも、なんとなくわかる気がする。

ガンガラーの谷での仕事

Karen

懐の「広さ」じゃなくて「深さ」があるというのはとても興味深いです。

勇斗さんはガンガラーの谷で働いているとのことですが、仕事のスケジュールなどはどんな感じなんですか?

勇斗さん

仕事のスケジュールとしては4週間でお休みが8日、1日8時間のシフト制だよ。

仕事内容はガンガラーの谷に来られたお客様にガイドとして谷を案内するのがメインの仕事だけど、それ以外にも不定期でケイブカフェで夜に行われるケイブパーティーのスタッフもしているよ。


洞窟の天井をずっと見ていると海に潜ってる気分になれるらしい。

 

Karen

なるほど。

職場の人たちはやっぱり若い方が多いんですか?

勇斗さん

僕と同じ20代~30代が8割だけど40~60代の先輩達もいる。

男女比も半々くらいで家族みたいな雰囲気だね。

いつもお母さん方にちゃんとご飯食べてるか心配されてるよ(笑)

 

Karen

居心地のよさそうな職場ですね(笑)

今の仕事の好きなところは何ですか?

勇斗さん

色んな所からお客さんが来てくださるので楽しい。全国・海外各地からもわざわざ沖縄までに来てくれる方々だもんね。

それからお客さんだけじゃなくて自然も天候や季節によって毎日少しずつ違うのも面白い。

植物は動いてないみたいだけど、朝と夕方で葉っぱの向きや角度が変わってるんです。

自然も生きてる!って感じる瞬間はツアー中にいつもある。

仕事内容ももちろんだけど、職場の人たちも大好き。

貢献したいと思える職場で働けていることがとてもラッキーだなと思うよ。

自分らしい生き方を模索して

Karen

そういえば、勇斗さんが沖縄にたどり着いた経緯はなんだったんですか?

勇斗さん

沖縄にたどり着いた理由は、簡単に言うと東京での就活がうまくいかなかったから、かな。

Karen

勇斗さん、就職活動してたって言ってましたもんね。

勇斗さん

そう。休学期間も含めて2年間、大企業からベンチャーから官公庁まで色んなところに面接に行ってたんだよね。

でも、どの面接でも最終的に組織に貢献する「覚悟」を問われた途端、入社してもすぐ辞めて迷惑をかけてしまうんじゃないかと思って辞退してしまって・・・。

それでも飲食店でのアルバイトは5年間続いてたし、これまで自分で決めたことはやりきった自信はあったから、もういっそのこと好きなことをやろう!と大学卒業目前に進路を白紙にすることにしたんだ。

それでボランティアを始めたり、社会人対象の学びの場に顔を出すようになったんだよね。

Karen

組織に貢献する前に辞めちゃうんではないかっていうのは私も就職時代すごい感じてましたし、働いている今もめちゃくちゃ感じています・・・!

具体的にこれから何をしたいっていうイメージはあったんですか?

 

勇斗さん

進路を白紙にしたタイミングでは復興支援関連に携わりたいなと思ってたのと、あとは東京を出たいなという気持ちもあったかな。

Karen

じゃあ東京を出たいという気持ちはあったものの、はじめから沖縄への移住を視野に入れていたわけではなかったんですね。

勇斗さん

そう。いろいろな選択肢を模索していたときに、NPO法人ETIC主催のDRIVE REGIONというイベントでIターンやUターンの説明を受けたんだ。

そこで今の職場の上司に出会ったのがきっかけで、実際にガンガラーの谷に見学に行くことに。

*DRIVE REGIONとは:若者と日本全国のソーシャルビジネスをつなげる求人メディア。

DR引用:DRIVE GEGION

Karen

それでガンガラーの谷の魅力に惚れて移住に至ったんですね。

東京を出たいっていう思いがあったという話でしたが、もともと地方や自然等には興味あったんですか。

勇斗さん

うーん。僕は東京生まれ東京育ちだけど、通っていた小学校は1クラス18人とかの小さなところだったからもっといろんな外の世界を見てみたいっていう気持ちは大きかったかな。

通っていた中学・高校も自然豊かな場所にあったから自然ってところにも興味がいったんだと思う。

大学では環境経済を専攻してたし、卒論はマレーシアの森林伐採から学べることについて書いてたんだ。

Karen

それは初めて聞いた気がします!

そんな沖縄での生活が4年目に突入した今、心境に変化はありますか?

勇斗さん

今も楽しくて幸せだけど、もっと自分が幸せになれる働き方・暮らし方があるんじゃないかな~と思うようになったかな。

Karen

なるほど。それはなんとなく分かる気がします。

勇斗さん

だからそろそろ次の挑戦の場を探そうと思っている。

もっと人が生き生きする社会をつくりたいのでそのために自分が何かできたらと。

今の会社の、その地域だからこそできることを活かして地域のためになることをするという理念はとても共感しているからその理念は引き続きどこにいっても大事にしたいな~と。

Karen

それは沖縄以外の場で、ということですか。

勇斗さん

うん。沖縄とも引き続き何らかの関係を持てたらと思ってるけどね。

沖縄での学びや経験のおかげで興味範囲がさらに広がったし、沖縄でのいろんな人との出会いがあったからこそ、違う場に進みたいと思えたから。

Karen

具体的には何か決まっているんですか。

勇斗さん

まだ全然。でもそろそろ自分の将来の事も考えるようになったからその辺も考慮した選択肢にはなるかなと。

やっぱり一人より二人がいいなって思うようになったから将来的には結婚もしたいし子供もほしいし!

Karen

てっきりずっと沖縄にいる予定かと思ってたので、勇斗さんが沖縄を離れる日も近いというのはまさかです!

マブイオト
引用:魂の音楽祭 マブイオトHP

勇斗さん

そうだよね。でも、その前にガンガラーの谷の大イベント、洞窟コンサート「魂の音楽祭マブイオト」が11月にあるのでまずはその準備に専念する予定。

アコーディオニストとして有名なcobaさんプロデュースで、自分自身も毎年楽しみにしてるイベントだから今年もしっかりと関わりたいと思ってる。

11年目になる今年は、新企画「魂の文化祭」が始まるんだ!自らの手で新しい何かを生み出す大人が、作品に込めた想いを語り合う、大人の文化祭。

あなたの中に眠れる魂を揺さぶり起こすようなアートとの出会いがあるかもしれません。乞うご期待!

Karen

最後の大仕事、勇斗さんの沖縄生活の集大成ってことですね。

次の場が決まったらまたぜひ新しい暮らし方・働き方をインタビューさせてください!

新しい道をまだまだ模索中の勇斗さんの今後を楽しみにしています。

好奇心を大事に、自分らしく生きる

谷の風景
引用:ガンガラーの谷 公式PV

私は沖縄へは何度か行ったことあるものの、ガンガラーの谷にはまだ行けていませんでした。

今回、そのことを勇斗さんに話すと「行くべきタイミングできっと行くことになるよ」と言われたのが心に残っています。

私の大好きな言葉に「Everything happens for a reason(何事も理由があって起こる)」というのがあるのですが、きっと勇斗さんも出会うべくしてガンガラーの谷に出会ったのかもしれませんね。

タノクラを読んでいる人の中には「人生を変えたい」「理想の暮らしを手に入れたい」と思っている人もいるかもしれませんが、難しく考えず流れに任せるのもアリなのではないでしょうか?

しかるべきタイミングになったら、進む道がきっと見えますよ!

私もその時がきたら、ガンガラーの谷という神秘的な場で自然に力を借りてこようと思います。



この記事を書いた人

Karen

Karen

神戸市出身。アメリカの大学を卒業後、メーカー営業として日本で働く社会人。日本の次世代の選択肢を増やしたい!と思ってライターしています。

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