インタビュー

2020.2.8

タイのコーヒーを通して文化を紡ぐ。京都の起業家にインタビュー

Karen

みなさんこんにちは!

突然ですが、これ、何か分かりますか?

Karen

実はこれ、コーヒーの果実なのだそうです!!完熟すると赤くなってさくらんぼに見えることからコーヒーチェリーとも呼ばれているのだとか。

コーヒーの豆といえば茶色というイメージですが、そのコーヒー豆はこのコーヒーの果実の中の種の部分にあたるようです!
この赤い果実の中に、コーヒー豆が入ってるんですね。

今日はアカイノロシという会社を起業され、コーヒーの世界に携わっている方をご紹介します!

インタビューした方のプロフィール

三輪浩朔


名古屋出身、京都在住。2018年10月、大学4年生の時にアカイノロシを同級生の矢野さんと立ち上げ「人々の心豊かにする新たな消費の形を提案する」をコンセプトに現在タイのコーヒー豆の輸入と販売を行う。noteもきままに更新中!

Karen

あらためまして、今日はよろしくお願いいたします。
起業家としての働き方のこととか暮らしのこととかそしてコーヒーのこととか、いろいろ聞かせてください。

とりあえずコーヒー豆がもとは赤い実なのはびっくりしました!

浩朔さん

こちらこそよろしく。

なかなか見る機会ないもんね。僕もコーヒーのビジネスに関わるまでは全然知らなかったよ(笑)
でもあの赤い実が、僕の会社で販売しているコーヒー豆の原型なんだ。

コーヒーってすごい身近なものだけれど、意外とどうやってできているか知られてないんだよね。
今回この記事で少しでもコーヒーについて知ってくれる人が増えたらうれしいな

この記事の目次

意外と知らないコーヒーの世界

Karen

そもそもなんでタイのコーヒーをビジネスにしようと思ったんですか?
もともとコーヒーLOVERだったとか?

浩朔さん


ううん。今でこそ毎日のようにコーヒー飲んでるけど、起業前はそうじゃなかったよ。

コーヒーとの出会いは大学の活動を通して知り合ったアカ族出身のタイ人がきっかけ。
実はアカ族のいるタイの北部は昔、麻薬密造地帯だったんだけど、40年前ごろから「ロイヤルプロジェクト」の一環でコーヒーが栽培されるようになったんだ。

Karen

ロイヤルプロジェクト知ってます!
タイ王室が推進する農民を支援するプロジェクトですよね。

ドライフルーツとかがロイヤルプロジェクトのマークをつけてお土産として販売されているのを見たことがあります。

浩朔さん


そうそう。
でもそのロイヤルプロジェクトで生産されたコーヒー豆は仲介業者によって安くで買い取られていて農家はきちんとした収入を得られていない現状もあるんだ。

Karen

そうだったんですね。

それで日本に輸入してみようと?

浩朔さん


うん。日本では人口が減っているのにもかかわらずコーヒーの消費量はこの5年間増え続けている点や京都はコーヒーの消費量が日本一という点でもビジネスとして成り立つんじゃないかって思ったんだよね。

Karen

高品質なコーヒーの提供を特徴とするサードウェーブコーヒーのトレンドが未だに日本は続いてますしね。

浩朔さん


確かにサードウェーブコーヒーの影響は大きいかも。
コーヒーの生産地への配慮や豆の栽培法や淹れ方がこのトレンドのおかげで注目された。

日本ではやっぱりブルーボトルコーヒーが上陸して広まったイメージが強いね。

Karen

そして京都がコーヒー消費量日本一なんですね!!意外!

浩朔さん


意外と知られてないよね(笑)
僕自身、コーヒーについての知識も全然なかったから京都のコーヒー屋さんで勉強させてもらってからタイに再訪。

日本でも売れる価格・品質のコーヒーを探し回った結果、今売っているコーヒー豆を作っているチャーリー農園をみつけたんだ。

Karen

チャーリー農園ってところの豆を取り扱っているんですね。

浩朔さん


うん。チャーリー農園はタイ北部の少数民族である「アカ族」の人達が働いているんだ。
だから僕たちの会社の名前も「アカイノロシ」にしたんだよ。

Karen

名前の由来はそこから来てるんですね。

浩朔さん

そう。アカ族の人たちは刺繍や織物の文化が昔からあることからとても器用な人が多くて、コーヒー豆の選別とかも全て手作業でとても丁寧に行っているんだ。

それと、チャーリー農園はコーヒーの栽培に適した気候条件の整っている場所にもあることが高品質な豆が獲れる秘密なんだ。

異国の文化を紡ぐ”ノロシスト”を増やしたい

Karen

そもそも起業ってものすごい熱い思いを持っている人がやるイメージがあるのですが、このビジネスにどんな思いをこめているんですか?

浩朔さん


個人的な思いとしては社会貢献のハードルを下げたいっていう気持ちが強いかな。
大学の授業で人間の身近な行動サイクルに社会貢献を組み込めるとベストっていう話があったんだけど
アカイノロシのビジネスが目指すところはまさにそこかなって。

コーヒーっていう身近な飲み物を通して、タイのコーヒー農園文化を紡ぐ。

Karen

確かにいいものを選んだらそれが間接的に社会貢献につながるって理想的かも。

浩朔さん


でしょ!

ちなみに今は「持続可能性」とか「SDGS」といった単語が頻繁に話題に上がっているけど、
僕が高校3年生の時(2014年)はちょうど地方創生とか地域活性化と言った言葉が話題になってた時なんだよね。

増田寛也さんの「地方消滅」って本が発売されて地域の魅力に再度目が向けられていた時期。

Karen

そうでしたっけ?!

浩朔さん


僕は都会生まれで都会育ちだったから当時は正直全く地域活性化とかに興味がなかったんだけど、大学で様々な社会課題へのアプローチ方法等を学んで気づいたんだよね。

その地域からヒト・モノ・カネがなくなることはその地域の文化もなくなるってことを。

浩朔さん


タイのコーヒー生産だって伝統文化の一つ。
きちんとしたルートさえ確保してあげることができたら伝統的な生産方法もきちんと次の世代に紡いでいけるはずなんだ。

アカイノロシは農園から直接、適切な価格で豆を買って売るまでのすべてのルートに関わってる。
これってコーヒー業界では結構レアなこと。

アカイノロシを通して、異国の文化を紡ぐ”ノロシスト”が増えたらいいな~って思うんだよね。

Karen

ノロシスト?

浩朔さん


アカイ”ノロシ”の想いに共感してくれる人達のこと(笑)

Karen

なるほど(笑)

浩朔さん


もちろん、「味がおいしい+現地のストーリーがある」だけじゃビジネスとしてやるのは難しいくてまだ軌道にのるまではいってないのが正直なところ。

ストーリーとコンセプトに共感してくれるお客様を増やすべく、100gからでも買えるようにしたり、定期便を用意したりしてるよ。

Karen

100gから買えるのはうれしいですね!

ちなみにコーヒー初心者なので教えてほしいのですが、深煎りと浅煎りはどう違うのでしょうか。

浩朔さん


深煎りと浅煎りは豆を焼くときの温度の違い。
一般的に深煎りは苦味があってコクのある味、浅煎りは紅茶に近い味になるよ。
うちのコーヒーは深煎りだとチョコレートのような甘さが、浅煎りだとフルーティーさを楽しめます。

深煎りだと豆本来の味があまりでないのもあって最近は浅煎りが伸びているかな。
浅煎りだと素材の味が最大限に発揮されるから。

Karen

コーヒーで紅茶感ですか?!

正直今まで深煎りを飲んでたのか浅煎りを飲んでたのかでさえ分からないです・・・

浩朔さん


そういう知識をもっと広めるためにも、今はオンラインでしか販売してないのでお客様とつながれる機会が少ないけど
今後はさらにお客様との密なコミュニケーションを取れる場を設けたいともおもっている!

コーヒーに合わせた働き方

Karen

やっぱり農園がタイにあると日本にいるよりタイにいる方が多いんですか?

浩朔さん


起業前は視察も含めてタイにコンスタントに行っていたけど、今は年に2回タイに訪問するくらいかな。

コーヒーの収穫期が11月~1月だから大体そのタイミングに合わせて収穫に立ち会ったり収穫のお手伝いをしたりする。
で、5月くらいに、日本に持ってくる前にコーヒーの味を見たり最終品質をチェックしにタイにいくかな。

Karen

そっか!
当たり前だけどそういえばコーヒー豆って年に1回しか取れないんですね。。。

その時期に合わせてタイに行くっていう働き方をしているのか。

浩朔さん


そう。あんまり飲んでいて意識することってないと思うんだけどコーヒーも年に1回しか取れない農作物なんだよね。
その年の気候状況によって収穫時期や味も変わってしまうんだよ。
だからいつタイにいくかもコーヒーの豆たち次第

Karen

まさにコーヒーにあわせて働いてるんですね(笑)

じゃあそれ以外は基本的に京都で仕事をしているんですか?

浩朔さん


うん。京都のレンタルオフィスを借りているのでそこが一応拠点になる。

出勤日や勤務時間も決めているけど、2人だけの会社だからかなり柔軟な感じ。
特にオフィスに行くことにはこだわらず、効率重視のスケジュールかな。

Karen

仕事内容としてはどういうことが中心になんですか?

浩朔さん


今だと、販売ルートとか販売サイトとかはある程度できたから主に商品のPRなどといった広報活動が多い。
イベントやセミナーに参加させてもらったり、ホームページやfacebookを更新したり。

基本的にデザイン関連は相方が、文章は僕が担当してそれ以外は適宜二人で分担してこなしてる!

Karen

なるほど。
じゃあイベントに行くときはオフィスに行かずイベント会場周辺で仕事するみたいな感じなんですね。

仕事とプライベートのすみわけはきちんとされているんですか?

浩朔さん


仕事とプライベートでオンオフがあるというよりかは常にアンテナを張って情報探しているイメージにはなるかな。
休みの日もコーヒーのことはやっぱり考えちゃうよ。まだ1年目だしね!

知識の引き出しが増えるシェアハウス生活

Karen

フリーランスや起業家だと、家が借りにくいイメージがあるけど今は一人暮らしなんですか?

浩朔さん


確かにそれはあるのかも。

今は「アオイエ」という大体7人~10人が住む京都のシェアハウスで暮らしている。
大学時代は一人暮らししてたけど卒業してからシェアハウスに移ったんだ。

Karen

シェアハウスにしたのには何か理由だったんでしょうか?

浩朔さん


うーん。一人っ子なのもあって、一人の時間はこれまで多くてそれも好きだったんだけど・・・
やっぱり一人だと常に緊張感がないから無駄な時間を過ごすことになっちゃうなと思って。

Karen

それはめちゃくちゃ分かります・・・
一人だと人の目をきにしないから丁寧な暮らしを送らなくなりますね・・・

浩朔さん


あとアオイエは共用ルームがすごい広くて常に人と話せる環境があるのがいいなと思った。
スマホをいじったりする時間がないくらい常に人と話しているかな。

浩朔さん


それからアオイエは拠点がいくつかあるんだけど、どこの拠点でも無料で泊まれるという制度があって、他拠点の人がよく遊びにきたりするんだよね。
そこで新たなつながりができたり、面白い話がきけるのも楽しい。

Karen

それはいいですね!うらやましいです。

浩朔さん


うん、やっぱり人と話すと得るものが多いな。いろいろと話してるうちに思考が整理されるしね。
自分の趣味の幅もシェアハウスにしてから広がったよ。
全然興味のなかった映画を見るようになったり、流行のものが何か知れたり。
知識の引き出しも自然と人数分だけ増えるよね。

学生起業家からの卒業

Karen

学生で起業という選択をし、そのまま就職することなく事業をやっていることについて迷いとかありませんでしたか?

浩朔さん


やりたい!って思ったからやったって感じだから迷いはなかったかな。

いい選択肢をしたと思ってるよ。
お金を払ってもなかなか体験できないことを22歳でやらせてもらってるのはありがたいこと。
それだけでもやってよかった。

Karen

学生を卒業して社会人になったことで変化とかは?

浩朔さん


学生起業家だったときは、いい意味でも悪い意味でも注目もされやすかったし、応援もされやすかった。
社会人になった今からが本当の勝負だなって思うよ

現状に満足してしまったらビジネスってそこで終わりだと思う。
満足のハードルをこれからも上げ続けないと。

Karen

満足のハードルか~
でもそれを上げすぎるとしんどくなるのではとも思いますが。

浩朔さん


もちろんそれもある。
よく起業した先輩方に「頑張りすぎないことが大事だよ」っていうアドバイスを共通してもらうんだよね。
今は軌道に乗せようと必死で頑張りすぎちゃうからそこはうまくコントロールできるようにしたいところかな。

Karen

頑張りすぎないように意識していることって何かありますか?

浩朔さん


一喜一憂しないことかな、。疲れちゃうから日頃から感情の起伏はあまりないように意識してる。
でも同時に感情を捨てないことも意識してる。
何かを選択するときにはとことん心を動かして心揺れたもの・惹かれたものを選びたいから。
そして道を進むときにはそのワクワクを思い出しつつも冷静さを取り戻すみたいな感じ。

Karen

とことん心を動かす、か。

企業に属してしまうとそういうことを忘れがちだからその気持ち思い出したいです!

心揺れるものに、全力で。

自分が飲んでいるコーヒーはどんな豆を使っていてどんな淹れ方をされているか気にしている人は
どれくらいいるのでしょうか。
ボランティアなどの社会貢献は自己満足なのか?という問いが飛び交う中で、アカイノロシの事業は
社会貢献を意識させない社会貢献を目指しており、今の時代に理想なビジネスのように感じます。

また企業に属していると、トップダウンで指示が下りてくることが多く「心を動かす」機会があまりありませんが、起業家という高いモチベーションと多くの努力が必要とされるポジションには心を動かし、動かされるものに敏感であることが必須なのだろうなと感じました。
私も、心動かすことにもっと敏感になり、心揺れた時には自分らしい道を彼みたいに選びたいなと思いました。



この記事を書いた人

Karen

Karen

神戸市出身。アメリカの大学を卒業後、メーカー営業として日本で働く社会人。日本の次世代の選択肢を増やしたい!と思ってライターしています。

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